【開催報告】GPN意見交換会「食品のライフサイクルから考えるサステナビリティ情報の発信と課題―産学協働の可能性を探る―」(5/22)
グリーン購入ネットワーク(GPN)は、5月22日(水)に「食品のライフサイクルから考えるサステナビリティ情報の開示と課題 ―産学協働の可能性を探る―」と題して、GPN意見交換会を開催いたしました。
当日は、GPN会員である食品メーカー等にご参加いただき、食品のライフサイクルにおける環境配慮の取り組みについて、課題と合わせて議論いたしました。
冒頭は、GPNアドバイザーである菱沼竜男氏(宇都宮大学 農学部 農業環境工学科 准教授)より、畜産等の食料生産と気候変動の関係性について解説いただき、研究成果として畜産物のCFP、アニマルウェルフェア、食育プログラムについて発表いただきました。
菱沼GPNアドバイザーの講演の様子
その後、質疑応答を挟み、参加団体と菱沼GPNアドバイザーと、商品のライフサイクル全体より、各工程の環境配慮事項や課題を切り口に意見交換を行いました。
主な課題としては3つ挙げられました。
・SCOPE3の削減 (特に食肉加工関連の排出量削減)
・畜産農家等への環境配慮に関する啓発
・消費者教育 (ライフサイクル思考に基づいた判断と選択を促す必要性)
これからの課題について、菱沼氏より研究活動での畜産農家とのコミュニケーションの方法や、既に取り組みを進められている団体より対策等を情報共有の上、農林水産省の施策についても共有いたしました。また、意見交換をふまえ、菱沼氏より「SCOPE3への対応はどの業種でも求められる取り組みであり、食品メーカーには農家や畜産農家への環境配慮を促すための具体的なアプローチが必要になる。今回の議論をふまえ、家族経営の農家から一定程度の規模を持つ農場,経営体での温室効果ガス排出量の削減に向けた対策,取り組み方法などを考え、整理してくことは課題である。」とコメントがあり、第2弾の意見交換会の方向性が示され、参加団体からも支持の声があがりました。
GPNでは、引き続き、特定のテーマによるGPN会員の皆さまとの課題解決に向けた意見交換の場を企画して参ります。
◇意見交換会の開催を終えて(菱沼GPNアドバイザーのコメント)
各種メーカーの方々との意見交換を介して,現場の課題を共有できたことは私にとっての大きな学びでした。机上の計算からの対策シナリオをどのように現実に反映させていくのか。課題は山積みですが,みなさんと一緒に考えて,少しでも具体策の提案,実施につながるお手伝いができればと考えております。
◇備考
開催案内:GPN意見交換会「食品のライフサイクルから考えるサステナビリティ情報の発信と課題―産学協働の可能性を探る―」(5/22)
◇お問い合わせ
グリーン購入ネットワーク(GPN)事務局 担当:竹内・深津